光のもとでⅠ
 ほんの少し夏を振り返って驚く。
 ここのところ忙しかったからかな……?
 絶対にそう……。
 そうでなければ、記憶をなくしたことすら忘れそうになっていたなんておかしすぎる。
 あんなに気になって仕方のなかったことなのに。
 私の頭はどうなっているんだろう?
 ポッカリと空いてしまったものを無意識のうちに都合よく修正しているような気がした。
 まるで、その記憶があってもなくても困らないよ、とでもいうかのように――。
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