光のもとでⅠ
ふたりとも視線すら合わせなかったというのに。
時折久先輩が茜先輩を目で追う程度。
こんなこと、今まで一度もなかったのに。
それとも、こんなことは今まで何度もあって、私が気づかなかっただけなのかな……。
「翠」
ツカサの声に思考を遮られてはっとする。
顔を上げ、右隣にいるツカサを視界に認めると、
「体調は?」
「あ……大丈夫」
それもそのはず。
クラスでは忙しく動いていたものの、図書室へ来てからはずっと座っていたし、紅葉祭が始まったといっても、私の仕事は今までと変わらない。
つまりは会計作業全般。
時折久先輩が茜先輩を目で追う程度。
こんなこと、今まで一度もなかったのに。
それとも、こんなことは今まで何度もあって、私が気づかなかっただけなのかな……。
「翠」
ツカサの声に思考を遮られてはっとする。
顔を上げ、右隣にいるツカサを視界に認めると、
「体調は?」
「あ……大丈夫」
それもそのはず。
クラスでは忙しく動いていたものの、図書室へ来てからはずっと座っていたし、紅葉祭が始まったといっても、私の仕事は今までと変わらない。
つまりは会計作業全般。