光のもとでⅠ
「ちょっと司っちっ!?」
「どうぞご自由に……」
 催促されて渋々答えた感じ。
 ふたりは顔を合わせるとこんなふう。
 仲がいいのか悪いのか。 
 私にわかるのは、なんだかんだと言いつつも、唯兄はツカサをかまいたくて仕方がないのだろう、ということと、ツカサの対応が湊先生に対するそれと似ていることくらい。

 私たちはお弁当を食べるために図書室の奥へと移動した。
 図書室は紅葉祭が始まる前と比べれば、多少は片付いたもののテーブルの上はプリント類が山積みになっているし、常に人と情報が行き交う場所ということもあり、落ち着いて食べられる環境ではなかった。
 だから、少しでも落ち着いて食べられる図書室の最奥――書架の林へと移動した。
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