光のもとでⅠ
茜先輩も一緒に食べるものと思っていたけれど、気づいたときには図書室にいなかった。
「はい、これリィの分」
お弁当を受け取り硬直する。
唯兄が手提げ袋から取り出したお弁当箱は、使い捨ての容器ではなかった。
使い捨てどころか、漆器の正方形のお弁当箱にはウィステリアホテルのマークが入っている。
蓋を開ければ中が十字に仕切られている松花堂弁当だった。
「唯兄、これ――」
「うん、ホテルのだよ。しかも、料理長お手製。ついさっき澤村さんが届けてくれたばかり」
彩り豊かでずしりと重量のあるお弁当に目を白黒させてしまう。
「恐縮する必要ないよ?」
「唯兄、無理……。だって、こんなに食べられないもの。残すとわかっているのに手をつけるのは気が引けるよ」
お弁当と睨めっこをしていたら、海斗くんに笑われた。
「はい、これリィの分」
お弁当を受け取り硬直する。
唯兄が手提げ袋から取り出したお弁当箱は、使い捨ての容器ではなかった。
使い捨てどころか、漆器の正方形のお弁当箱にはウィステリアホテルのマークが入っている。
蓋を開ければ中が十字に仕切られている松花堂弁当だった。
「唯兄、これ――」
「うん、ホテルのだよ。しかも、料理長お手製。ついさっき澤村さんが届けてくれたばかり」
彩り豊かでずしりと重量のあるお弁当に目を白黒させてしまう。
「恐縮する必要ないよ?」
「唯兄、無理……。だって、こんなに食べられないもの。残すとわかっているのに手をつけるのは気が引けるよ」
お弁当と睨めっこをしていたら、海斗くんに笑われた。