光のもとでⅠ
13
お弁当を食べ終えると、唯兄は秋斗さんの仕事部屋へ、私たちは作業に戻った。
十二時五十分には桜林館への移動が始まる。
放送委員は先に半数の人が桜林館入りしており、校内放送の全権が桜林館に移行するのを待ってからの移動となるため、私たちが図書棟を出るときには数人が残っていた。
「翠」
ツカサに声をかけられた瞬間、次に言われる言葉が脳裏に浮かぶ。
次に言われるのは「体調は?」で間違いないはず。
「ツカサ……少し前にも同じ会話をした気がするの」
先手を打ってから見上げると、ツカサは私から視線を逸らし罰の悪い顔をした。
考えていることはわかる。
お昼を食べたあとだから、消化に血液を持っていかれて貧血を起こしていないか、と心配してくれているのだろう。
十二時五十分には桜林館への移動が始まる。
放送委員は先に半数の人が桜林館入りしており、校内放送の全権が桜林館に移行するのを待ってからの移動となるため、私たちが図書棟を出るときには数人が残っていた。
「翠」
ツカサに声をかけられた瞬間、次に言われる言葉が脳裏に浮かぶ。
次に言われるのは「体調は?」で間違いないはず。
「ツカサ……少し前にも同じ会話をした気がするの」
先手を打ってから見上げると、ツカサは私から視線を逸らし罰の悪い顔をした。
考えていることはわかる。
お昼を食べたあとだから、消化に血液を持っていかれて貧血を起こしていないか、と心配してくれているのだろう。