光のもとでⅠ
「いつも髪留めに使ってるのだよね?」
「あ……」
 咄嗟にとんぼ玉を手で掴む。
 髪の毛は何もしないで来て、と言われていたから、今日はネックレスにしてきていた。
 緑のとんぼ玉が視界に入るのは日常のことだからか、着替えたときには何の違和感も覚えなかった。
「いつもつけてるけどお気に入り?」
 お気に入りかといわれたらお気に入りだけれど――それよりももっともっと特別なものだと思う。
 言葉にするなら、大切なもの、かな。
「すぐに外します」
「えっ!? あ、いいよ、いいいいっっっ」
 大声で遮られ、周りの視線を集めてしまう。
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