光のもとでⅠ
「そんなに首をコクコクしてたら筋痛めちゃうわよ?」
 姿形そっくりで、声まで同じっ――。
「双子ってやっぱり珍しいのかしらね?」
 都さんが首を傾げると、神楽さんも首を傾げる。
 その様はまるで鏡合わせを見ているようだった。
「そうでもないんじゃないかしら? だいたいどの学校にも一組二組いるものでしょ?」
 いないいない――と、意味をこめて首を横に振ると、
「あら、そうなの?」
 なんてことのないやり取りだと思う。
 でも、そのふたりが大好きなヴァイオリニストで、なんの心構えもなしに目の前に現れるとなると別。
 嫌でも鼓動が速くなる。
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