光のもとでⅠ
先日、一度だけリハーサルで見かけてはいたけれど、主には吹奏楽部との合わせのほうに重点が置かれていたこともあり、きちんと挨拶をする時間が取れたのは今が初めて。
「み、御園生翠葉ですっ。あの、き、今日はよろしくお願いします。やだ、私座ったままっっっ――」
「はいはいはい、翠葉ちゃんストーップ! 立っちゃだめ。OK?」
わたわたする私の両肩に手を乗せ重力がかけられる。
「そ、空太くんっ」
見上げると、にぃ~、と笑って「ほら、昇降機上げるよ」と言われた。
空太くんが昇降機から降りると、鈍い音を立てながら昇降機が上昇を始めた。
そして気づくのだ。自分がマイクを手にしていないことに。
インカムでマイクがないことを伝えると、
『大丈夫だから安心して』
「み、御園生翠葉ですっ。あの、き、今日はよろしくお願いします。やだ、私座ったままっっっ――」
「はいはいはい、翠葉ちゃんストーップ! 立っちゃだめ。OK?」
わたわたする私の両肩に手を乗せ重力がかけられる。
「そ、空太くんっ」
見上げると、にぃ~、と笑って「ほら、昇降機上げるよ」と言われた。
空太くんが昇降機から降りると、鈍い音を立てながら昇降機が上昇を始めた。
そして気づくのだ。自分がマイクを手にしていないことに。
インカムでマイクがないことを伝えると、
『大丈夫だから安心して』