光のもとでⅠ
『大丈夫だから安心して』
朝陽先輩の穏やかな声が返ってきた。
手に持つものが何もないと、妙な不安に襲われる。
一気に緊張しだしたのが見て取れたのか、都さんが小声で話しかけてくれた。
「音楽だからね。楽しんだもの勝ちだよ?」
その手にはヴァイオリンではなくフルートが握られている。
「……どうして、フルート……?」
「ん? あぁ、この曲はヴァイオリン二台よりもフルートのほうがいいのよ」
「違うわよ、都。この子はフルートが吹けることを不思議に思ってるんじゃないの?」
「あぁ、そっか……。表舞台ではめったに吹かないもんね? あのね、私、音大では副科がフルートだったの」
そう言ってきれいにウィンクした。
朝陽先輩の穏やかな声が返ってきた。
手に持つものが何もないと、妙な不安に襲われる。
一気に緊張しだしたのが見て取れたのか、都さんが小声で話しかけてくれた。
「音楽だからね。楽しんだもの勝ちだよ?」
その手にはヴァイオリンではなくフルートが握られている。
「……どうして、フルート……?」
「ん? あぁ、この曲はヴァイオリン二台よりもフルートのほうがいいのよ」
「違うわよ、都。この子はフルートが吹けることを不思議に思ってるんじゃないの?」
「あぁ、そっか……。表舞台ではめったに吹かないもんね? あのね、私、音大では副科がフルートだったの」
そう言ってきれいにウィンクした。