光のもとでⅠ
 ツカサは手にしたミネラルウォーターを全部飲み干した。
 私も空太くんも、その行動の一部始終に釘付けで、ゴクリ、と唾を飲み込む。
「今ここでやったんだろ?」
「うん、そうだけど……」
「なら問題ない。……高崎、このあとも頼む」
 私はツカサに背を押されて用意されたパイプ椅子に座らされる。
 背中からツカサの体温が伝わってきて熱く感じた。
 歌い終わったばかりだから、ツカサの体温が高めなのだろうか。
 そんなことを考えながら、さっき作ったばかりの水割りリンゴジュースを渡された。
 私の手にペットボトルが触れてから、ツカサが手を離すまでにほんの少し間があった。
「信用すると決めたなら、言葉よりも態度で示すほうが効果的だ。口ではなんとでも言える……」
 私にしか聞こえない声でそう言うと、ペットボトルを離した。
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