光のもとでⅠ
 不器用とも思えるその行動が、なんだかとてもツカサらしいと思った。
「ツカサ……あのね、私、第四通路へ行かなくちゃいけないの」
「何をしに?」
 壁に寄りかかっていたツカサに見下ろされる。
「茜先輩が待っているから」
「……何するつもり?」
 何って、そんなのわからない。
 ただ、茜先輩に話がしたいと言われただけ。
 だから、行けば何かを話してくれるのだと思う。
 ステージで向けられた笑顔は本物だと思えなかったけれど、言葉に嘘が含まれるとは思わなかった。
「あのふたりのことは俺たちが介入することじゃないと思うけど?」
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