光のもとでⅠ
 今は目の前の茜先輩が心配で仕方ない。
 さっきまでの茜先輩とは何もかもが違う。
 声のトーンも話し方も。
 何よりも声に張りがない。
 まるで力が抜けたように話す。
「茜先輩? ……大丈夫ですか?」
「……大丈夫よ、ステージでは」
「……え?」
 返ってきた言葉の意味がよくわからない。
「先に訊くわね」
 前置きのような言葉にドキリとする。
「翠葉ちゃんは強い?」
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