光のもとでⅠ
 何を言われても口を挟まず、茜先輩の言葉に耳を傾けよう。
 目を閉じ、頭の中で数を数えた。
 一から十までの数を。
 私は何度でも魔法にかかる。
 何度も聞いたツカサの声で。
「茜先輩……茜先輩が私と話したかったことはなんですか? 私に話そうと思ったことはなんですか? それを聞かせてください」
「……本当に、どこまでもお人好しでバカな子」
 そう言うと、茜先輩は話し始めた。
 茜先輩が私に話してくれたのは家庭環境と久先輩のこと。
 それは感情を言葉に変換できないほど、ひどく胸を抉られる内容だった。
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