光のもとでⅠ
 好きな人の気持ちが自分から離れるのが耐えられない……。
 なんて強い言葉だろう。
 その心がなくなったら歌も歌えないなんて、生きていく道すら見えなくなってしまうだなんて。
 どれほど強く深い想いなのだろう。
 久先輩の想いはどれほど茜先輩の支えになっていたことか……。
 きっと、今まで茜先輩ががんばってこられたのは、久先輩の想いがあったからなのだ。
 私は茜先輩に何をしてあげられるのだろう。
 ツカサや海斗くん、桃華さんやクラスメイトがしてくれたようなことをできるのか……。
 何度も何度も繰り返し考えるけれど、答えは見つからない。
「茜先輩……私には何ができるでしょう」
 訊くことしかできなかった。
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