光のもとでⅠ
「私も、気持ちがどこまで続くものなのかはわかりません。人を好きになった記憶がないので……。家族を好きとか、友達を好きとか、そういう気持ち以上のものを知らないんです。でも、それがなくなったら怖いから、手に入れたくないという気持ちはわかる気がします。私はそれがクラスメイトでも生徒会のメンバーでも同じことを思うから。いつかなくなってしまうのなら、最初から手に持たなければいい。そうしたら、自分の心は傷つかないで済む。……真面目に、ずっとそう思ってきたんです。そうすることでしか自分の心を守れなかったから」
 それは嘘ではない。
 今ですら、その強すぎる思いは払拭できていない。
「でも……だから、先輩たちは『True Colors』を歌ってくれたのでしょう? ……私はすごく恵まれています。怖がっていても、そうやって手を差し伸べてくれる人がいるのだから。この学校には、私を救ってくれる人がたくさんいます」
 それなら、茜先輩には……?
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