光のもとでⅠ
「やっ、全然悪くないですっ! 今、上で調理部がかりんジュースを配ってるので、それをいただいてきますねっ!」
「じゃ、お願いしようかな」
「はい! 翠葉ちゃん、私、ちょっと行ってくるね」
香乃子ちゃんは走りはせず、急ぎ足で会場へ続く階段に向かった。
「伴奏……走っちゃいました」
香乃子ちゃんの後ろ姿を見つつ、カミングアウト。
「うん、前半ちょっとね? すぐに立て直したけど、何かあった?」
「何かというほどのことではないはずなんですけど……」
茜先輩は不思議そうな顔で私の顔を覗き込む。
「朝陽先輩が――今日のツカサの歌は好きな人へ向けて歌っているものだと言っていて……。そしたら、急に歌詞の内容が気になって、相手が誰なのか気になって……」
本当にそれだけだった。
「じゃ、お願いしようかな」
「はい! 翠葉ちゃん、私、ちょっと行ってくるね」
香乃子ちゃんは走りはせず、急ぎ足で会場へ続く階段に向かった。
「伴奏……走っちゃいました」
香乃子ちゃんの後ろ姿を見つつ、カミングアウト。
「うん、前半ちょっとね? すぐに立て直したけど、何かあった?」
「何かというほどのことではないはずなんですけど……」
茜先輩は不思議そうな顔で私の顔を覗き込む。
「朝陽先輩が――今日のツカサの歌は好きな人へ向けて歌っているものだと言っていて……。そしたら、急に歌詞の内容が気になって、相手が誰なのか気になって……」
本当にそれだけだった。