光のもとでⅠ
 ステージが終わってすぐに昇降機から降りたのは、もしかしてこのため……?
「ダンス部が終わるまでまだ時間がある。食べられるだけでいいから口にしろ」
 そうは言うものの、このプレートには最初から私が食べられる分量しか盛り付けられていない。
 フルーツサンドが二切れ。
「ありがとう……」
 ツカサの優しさが心に染みる。
「司は翠葉ちゃんだけに優しいわね?」
 茜先輩は、膝を抱える腕に頬を乗せたまま口にする。
「そうですか? 誰にでも親切なつもりですけど」
 ツカサは軽くにこりと笑みを浮かべた。
 私はその笑顔に固まるけれど、ふたりの会話はまだ続く。
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