光のもとでⅠ
「あら、全校生徒が今の言葉を聞いたら反対意見がどのくらいあがるかしら?」
「それは心外ですね。こんなにも面倒で最悪な王子の出し物に付き合っているというのに。優しさの欠片もなければあり得ないと思いますが?」
「じゃぁ、言い方を変えるわ。翠葉ちゃんには甘いのね?」
 どうしてか、茜先輩はさっき私に見せたような、少し挑発的な話し方をしていた。
 ツカサは一瞬だけ私に視線を向け、すぐに茜先輩へ戻す。
「どうしたことか、翠はうちの一族のお気に入りなので……。いじめすぎたらうちの一族に何を言われるかわかったものじゃない」
「あら? 私はてっきりその一族に司も含まれているものだと思っていたわ」
「あぁ……そういう意味なら」
 ツカサは私に向き直り、シニカルな笑みを浮かべる。
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