光のもとでⅠ
 感心するように顔を覗き込まれ、今度は別の羞恥が生まれる。
 赤面しているところをまじまじと見られて恥かしくないわけがない。
 でも、私が好きなのはあの顔だけじゃない。容姿だけじゃない。
 声も言葉も優しさも――ツカサという人が好きなのだと思う。
 いつもそつなく立ち回るのに、どこか不器用でぶっきらぼうなところがあったり、優しさと厳しさが常に隣り合わせなそれとか……。
 何よりも、手が……好き。
 渡されたプレートにちょこんと乗っているフルーツサンドをつまみ、一口かじる。
 生クリームの甘さとバニラエッセンスの甘い香りが口の中に広がり、鼻を抜けていった。
 プツプツとした食感はみかんの缶詰。
「美味しい……」
 自然と零れたそれに、「良かったね」と茜先輩の笑顔が返ってきた。
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