光のもとでⅠ
「あれ……さっきはなんでインカムで呼ばれなかったんだろう」
 私と茜先輩がいなくなったとき、これを使えばすぐに見つかったんじゃ……。
「きっと司ね。私のインカムも途中から一切通信が入らなくなったから。翠葉ちゃん、あそこに来ることを司には話していたんじゃない?」
「あ、はい」
 茜先輩に言われたとおりだ。
 ツカサにだけ、話していた。
「ツカサなら私たちの通信だけをカットすることも容易だわ」
「そんなこともできるんですかっ!?」
「さぁ……通常はそんな操作方法はないはずだけど。……司だからね?」
 クスリと笑う茜先輩は私よりも先に立ち、私が立つのに手を貸してくれた。
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