光のもとでⅠ
 社員がじーさんを見かけると、一斉に社内メールが飛び交う始末。
 メールの件名には英数字の"1"のみが記され、本文未記入のメールが社員に一斉に送られるのだから、どれだけ慌てているのかがよくわかる。
 そのメールは社長や重役にも届くという。因みに、静さんが来たときには"2"というメールが飛び交うのだから、うちの会社は意外とお茶目な会社だと思う。
「蔵元悪い。あとは頼む」
 言い残してすぐに地下駐車場に下りた。
 これからアンダンテに寄ってマンションに戻ると早くても一時半。
 栞ちゃんからのメールには、お昼に起こしても起きなかったからそのまま寝かせてある旨が書かれていた。
 行ったらまずは何かを食べさせないといけないだろう。
 栞ちゃんがゼリーを作っているようだけど、ほかにも何かがあって悪くないはず。
 翠葉ちゃんにメールを送ってみたけれど返信はなかった。
 もしかしたら気づかずに寝ているのかもしれない。
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