光のもとでⅠ
 それは巨大クラッカー。
 電気点火されるため、曲とのタイミングを合わせやすいものとなっているらしい。
 予告はされていたし、どこで鳴るのかもわかっていたけれど、やっぱりすごくびっくりした。
 びっくりしたけれど、次の瞬間には笑いに変わる。
 だって、クラッカーが噴射する直前まで、「来るよ来るよっ!」って顔をしてみんなが演奏していた。
 楽しくて楽しくて仕方がない。
 顔が勝手に笑顔になる。
 きっと、今一緒に演奏している人みんながそう思ってる。
 私はひとりひとりの奏者の顔を見て回った。
 名前と顔をひとつずつきちんと一致させて。
 こうやって演奏しているこのメンバーと出逢えたことも奇跡なんだ。
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