光のもとでⅠ
 それでも、こんなにキラキラした笑顔で歌えるのは心が決まっているから。
 もう、何事にも揺らがないよ、と言える何かを持っているから。
 そんな気がする。
 ……そうであってほしいと強く願う。
 茜先輩、大丈夫だよ……。
 たぶん、絶対大丈夫。
 久先輩と一緒なら、大丈夫……。

「翠、そろそろ準備」
「あ、はい」
 咄嗟に立ち上がろうとしたら、香乃子ちゃんに引き止められた。
「藤宮先輩失格っ!」
「は?」
 香乃子ちゃんの言葉にツカサが眉をひそめる。
< 5,749 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop