光のもとでⅠ
 会場へ上がると、音楽の蓮井(はすい)先生が待っていた。
「どうかなさったんですか?」
「御園生さん、ハープ弾けるって言ってたわよね?」
「え? ……はい」
「その、弦の張り方とかわかるかしら?」
「……はい。弦の張替えができないと楽器のメンテナンスはできないので……」
 それは私にとってはごく当たり前のことだった。
「実はね、ハープの弦が切れちゃったのだけど、ハープ担当の子は弦の張り替えをしたことがないっていうの。私もピアノとフルートが専攻だったから専門外で……」
 私と朝陽先輩は問題のハープへと案内された。
 けれど、そこには問題がもうひとつ……。
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