光のもとでⅠ
その言葉を言い終える前に、彼女から鋭い視線が飛んできた。
「嫌よっ。司様を誘惑している人なんかに触られたくないわっ」
心の中でため息をひとつつく。
ここにもツカサ信者がいた。
このくらい威勢のいい拒絶のされ方は久しぶりな気がする。
彼女の言葉に、す、と何かが冷めて落ち着くのを感じた。
私の足は自然と前へ出る。
「蓮井先生、弦はありますか?」
「ここに全種類揃っているのだけど、私にはどれがどの弦かもわからなくて……」
指差されたそれらは番号順に並んではおらず、三十六ある袋の中から一本の弦を探さなくてはいけない。
ハープに視線を移すと、切れた弦はワイヤー弦からナイロン弦へ切り替わるところのC弦。
「嫌よっ。司様を誘惑している人なんかに触られたくないわっ」
心の中でため息をひとつつく。
ここにもツカサ信者がいた。
このくらい威勢のいい拒絶のされ方は久しぶりな気がする。
彼女の言葉に、す、と何かが冷めて落ち着くのを感じた。
私の足は自然と前へ出る。
「蓮井先生、弦はありますか?」
「ここに全種類揃っているのだけど、私にはどれがどの弦かもわからなくて……」
指差されたそれらは番号順に並んではおらず、三十六ある袋の中から一本の弦を探さなくてはいけない。
ハープに視線を移すと、切れた弦はワイヤー弦からナイロン弦へ切り替わるところのC弦。