光のもとでⅠ
「朝陽先輩、ナンバー27と書かれている袋を探してください。中には赤い弦が入っているので、袋の上からでも透けて見えるはずです」
「了解」
「ちょっとっっっ」
触らないで、と言わんばかりに割って入ってくる。
でも、私はかまわずに弦を探しながら話を続けた。
「今日、一番最初の歌を歌うとき、ものすごく緊張していました。でも、ステージの下からあなたのグリッサンドが聞こえてきて、ほかの音もきちんと聞こえるようになった。このハープ……私のハープと同じ機種なんです。この音で私は落ち着くことができました」
そこまで言って手を止める。
「だから、ありがとう……。それから、教えてください。この先、ツカサが歌うものにハープの音色は使われませんか? それなら弦の張替えは諦めます。でも、もし一曲でも使う曲があるのなら、弦を張り替えさせてほしいです。私を嫌いでもいい。でも、せっかくある音を一音でも諦めるのは嫌」
「了解」
「ちょっとっっっ」
触らないで、と言わんばかりに割って入ってくる。
でも、私はかまわずに弦を探しながら話を続けた。
「今日、一番最初の歌を歌うとき、ものすごく緊張していました。でも、ステージの下からあなたのグリッサンドが聞こえてきて、ほかの音もきちんと聞こえるようになった。このハープ……私のハープと同じ機種なんです。この音で私は落ち着くことができました」
そこまで言って手を止める。
「だから、ありがとう……。それから、教えてください。この先、ツカサが歌うものにハープの音色は使われませんか? それなら弦の張替えは諦めます。でも、もし一曲でも使う曲があるのなら、弦を張り替えさせてほしいです。私を嫌いでもいい。でも、せっかくある音を一音でも諦めるのは嫌」