光のもとでⅠ
「あなたの歌う曲っ、『小さな星』にもハープの音があるんだからっ」
 私はびっくりして目を見開いた。
 振り返ってもなんと言葉を発したらいいのかわからないし、私が声を発するには少し離れすぎてしまった。
 だから、私はぺこりとお辞儀だけをして奈落へ戻った。

 奈落に戻ると、会場では和太鼓の演舞が整い、会場からドンドコ音が鳴り始めた。
 まるで夏の打ち上げ花火みたいな音たち。
 会場でその振動を肌に感じたいと思うものの、この時間に私は休憩を取らなくてはいけない。
 定位置に戻ると、ツカサが「遅い」という顔をして待っていた。
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