光のもとでⅠ
「……困らせたいわけじゃないんだけどな。体、起こせる? 無理そうならそのまま横になってて」
きっと無理だろう。それでも彼女は細い腕を支えにして少しずつ体を起こそうとする。
ソファと彼女の角度が三十度くらいになったところで真っ青になった。
「無理はしないほうがいいよ」
体を支えていた腕を取り横にさせると、窒息しそうなほどソファに顔をうずめた。
髪の毛で顔を隠すとき、こんなときはたいてい泣いている。
「そんなふうに泣かなくていいから」
俺の腕の中で泣いてくれたらどれだけ嬉しいか……。
そんな願いはなかなか叶わない。
ここにいたのが俺ではなくて蒼樹ならそうしたのかもしれないと思えば、かわいい優秀な後輩だろうと少し憎らしく思えるわけで……。
ハンカチで涙を拭いてあげるも、それはなかなか止まらなかった。
デザートグラスと一緒に持ってきたハーブティーを彼女の前に差出し、
「ほら、泣いたらその分水分摂らなくちゃ」
言うと、彼女は素直にストローに口をつけ、少しずつ飲んでくれた。
「少し待ってて」
席を立ち、洗面所でタオルを濡らして戻ってくる。
きっと無理だろう。それでも彼女は細い腕を支えにして少しずつ体を起こそうとする。
ソファと彼女の角度が三十度くらいになったところで真っ青になった。
「無理はしないほうがいいよ」
体を支えていた腕を取り横にさせると、窒息しそうなほどソファに顔をうずめた。
髪の毛で顔を隠すとき、こんなときはたいてい泣いている。
「そんなふうに泣かなくていいから」
俺の腕の中で泣いてくれたらどれだけ嬉しいか……。
そんな願いはなかなか叶わない。
ここにいたのが俺ではなくて蒼樹ならそうしたのかもしれないと思えば、かわいい優秀な後輩だろうと少し憎らしく思えるわけで……。
ハンカチで涙を拭いてあげるも、それはなかなか止まらなかった。
デザートグラスと一緒に持ってきたハーブティーを彼女の前に差出し、
「ほら、泣いたらその分水分摂らなくちゃ」
言うと、彼女は素直にストローに口をつけ、少しずつ飲んでくれた。
「少し待ってて」
席を立ち、洗面所でタオルを濡らして戻ってくる。