光のもとでⅠ
 イヒヒ、と笑う海斗くんに、
「へぇ……」
 飛翔くんは気のない返事をする。
「現生徒会の中じゃ、計算速度においてはトップ。あの司が自分の上をいくかもしれないって認めたくらいだ」
「まさかっ」
「海斗くん、言いすぎっ」
 飛翔くんと私の声がかぶり、一瞬目が合ったけど、すぐに私が逸らした。
 第一、そんなにおだてられても困るし、飛翔くんは飛鳥ちゃんの弟さんなのに怖いっ。
「ふーん……。せいぜい、入学してからの楽しみに取っておくとする」
「あっれー? 飛翔、バスケ部が強いからって海新に進むのも検討してるんじゃなかった?」
 飛鳥ちゃんの一言に飛翔くんは、「まだ悩んでる」と答えた。
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