光のもとでⅠ
「こんなふうに想われている人が羨ましいと思うのは――」
「ん?」
 朝陽先輩の優しい顔に覗き込まれ、どうしようか悩む。
 自分の口から出た「羨ましい」という言葉にすら少しびっくりしていた。
 でも、少しでも答えに近づきたい。
「こんなふうに想われている人が羨ましいと思うのは、おかしいですか?」
 これは気持ちの話。
 朝陽先輩とは気持ちに関する話をあまりしたことがないから、少し緊張する。
 数秒経っても返事が得られず、朝陽先輩の方を向く。
「朝陽先輩?」
 朝陽先輩は私の顔を覗き込んだままの状態でフリーズしていた。
 思わず顔の前で手を振ってしまったけど、それに対する反応もない。
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