光のもとでⅠ
「御園生、それはさ――」
「ごめんっ、今のなしっっっ。訊かなかったことにしてっ!?」
 そうだ――こんなこと人に訊くものじゃない。
 自分が気づいたならともかく、人から聞くものじゃない。
 知っていたところで教えられるものでもないだろう。
 すごく恥ずかしい……。
 私、何を口走っているのかな。
「御園生」
 佐野くんの顔を見ると、
「それさ、本人に訊いてみたらどうかな?」
 佐野くんからは佐野くんらしい答えであり、とても当たり前な答えが返ってきた。
 一度口にしてしまったものは、そんな簡単には取り消せないよね……。
 でも――。
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