光のもとでⅠ
32
奥華子さんの「小さな星」のオケは、吹奏楽部と都さんたちの演奏のため、ステージ上には私しかいなかった。
広いステージがさらに広く思え、途端に心細くなる。
「……ツカサっ」
インカムでツカサを呼ぶと、
『翠?』
「お願いっ、十、数えて欲しい」
『……わかった。……一、二、三、四、五、六、七、八、九、十』
安定した速度と声音に心が落ち着き始める。
『翠』
「……大丈夫。ありがとう」
ツカサの声はいつだって思い出せる。
でも、思い出す声はリアルタイムで聞こえてくる声には敵わない。
広いステージがさらに広く思え、途端に心細くなる。
「……ツカサっ」
インカムでツカサを呼ぶと、
『翠?』
「お願いっ、十、数えて欲しい」
『……わかった。……一、二、三、四、五、六、七、八、九、十』
安定した速度と声音に心が落ち着き始める。
『翠』
「……大丈夫。ありがとう」
ツカサの声はいつだって思い出せる。
でも、思い出す声はリアルタイムで聞こえてくる声には敵わない。