光のもとでⅠ
 でも、それはツカサに彼女ができたらしてもらえないことなのかもしれない。 
 だって、ツカサは蒼兄のように血がつながっている家族ではないから。
 今はこんなに近くにいてくれるけど、それは――全然当たり前のことじゃなかった。
 どうしてこんな簡単なことに気づけなかったのだろう。
 海斗くんは……?
 海斗くんが飛鳥ちゃんと付き合い始めたら何かが変わるのかな。
 少し考えてみたけれど、海斗くんには別段何を思うでもない。
 なのに、対象がツカサになると、同じようにできる自信がない。
 海斗くんや佐野くんの恋、久先輩の恋は応援できる。
 でも、ツカサの恋は考えようとした時点で応援にはなり得ない感情が入り混じる。
< 5,824 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop