光のもとでⅠ
 この声は秋斗さんの声だ。
 秋斗さんとした会話。
 ……秋斗さん、恋はキラキラしていなかった。
 ドロドロしているわけでもないけれど、モヤモヤしていてすごく苦しいです。
 きれいな世界を見る前に失恋しちゃいました。
「翠葉ちゃん、降りようか」
 茜先輩の手が優しく肩に添えられた。
「ちゃんと気持ちを解放できてたね」
 茜先輩の手が目もとに伸びてくる。
 指で涙を拭われて気づく。
 私、泣きながら歌っていたの……?
「っ……声っ」
 ちゃんと歌えていたのかすらわからない。
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