光のもとでⅠ
「大丈夫、音も外していないし歌詞も間違えてないよ。声もしっかり出てた」
茜先輩に言われてほっとする。
昇降機が降りると、桃華さんが走り寄ってきてはっとする。
「翠葉っ、具合悪いっ!?」
「違……ごめん、なんでもないの。……本当に、なんでもないの」
まだ止らない涙をどうすることもできず、手の甲で拭うと、ずい、と横からブルーのハンカチを押し付けられた。
「あとで――あとで、絶対に吐かせるからな」
ツカサに真顔で言われ、昇降機から降ろされた。
少し怒っているような、イラついているような声だった。
でも、そんなことを言われても困る。
言え、ない……。
言えるわけがない――。
茜先輩に言われてほっとする。
昇降機が降りると、桃華さんが走り寄ってきてはっとする。
「翠葉っ、具合悪いっ!?」
「違……ごめん、なんでもないの。……本当に、なんでもないの」
まだ止らない涙をどうすることもできず、手の甲で拭うと、ずい、と横からブルーのハンカチを押し付けられた。
「あとで――あとで、絶対に吐かせるからな」
ツカサに真顔で言われ、昇降機から降ろされた。
少し怒っているような、イラついているような声だった。
でも、そんなことを言われても困る。
言え、ない……。
言えるわけがない――。