光のもとでⅠ
モニターに映る茜先輩は、いつもと変わらないように見える。
でも、感じる。
心を解放して歌ってはいない、と。
いつもと同じように見えるけれど、いつもと同じようには聞こえない。
あの、圧倒的な感じがしない。
それは、私が事情を知っているからなのか……。
知らなければ何にも気づかず聞いていたのだろうか。
「翠葉ちゃん、少し話してもいいでしょうか?」
いつの間にか隣に香乃子ちゃんが戻ってきていた。
今度は香乃子ちゃんがですます口調。
さっきの佐野くんに似ていたけれど、雰囲気が違う。
伝わってくるのは緊張――。
でも、感じる。
心を解放して歌ってはいない、と。
いつもと同じように見えるけれど、いつもと同じようには聞こえない。
あの、圧倒的な感じがしない。
それは、私が事情を知っているからなのか……。
知らなければ何にも気づかず聞いていたのだろうか。
「翠葉ちゃん、少し話してもいいでしょうか?」
いつの間にか隣に香乃子ちゃんが戻ってきていた。
今度は香乃子ちゃんがですます口調。
さっきの佐野くんに似ていたけれど、雰囲気が違う。
伝わってくるのは緊張――。