光のもとでⅠ
「茜ちゃん……」
「サザナミくん……?」
 私たちの目の前にはサザナミくんが立っていた。
 いつもは「茜先輩」と呼ぶのに、今は「茜ちゃん」。
 本来はこう呼んでいるのかもしれない。
「もう、いいんじゃないの?」
 そう言って、茜先輩の正面に座る。
 茜先輩は何も答えない。
「もう、いい加減に楽になれよ……っていうか、俺もはもう茜ちゃんのお守りから解放されたい」
「千里っ――」
 茜先輩が顔を上げた。
 思い切り眉をひそめて。
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