光のもとでⅠ
絶対に大丈夫だとは思っている。
でも、それを最終的に決めるのは茜先輩だと思っていたから。
「御園生さんにいいこと教えてあげる。この人に逃げ道は用意しちゃいけないんだ。本当は臆病者の弱虫だから。逃げ場がある限り、絶対に逃げる。だから、この人に何かを決めさせたいときは背中を押すなんて生易しい方法じゃなくて、選択肢をなくす、が正解」
そう言うと、サザナミくんはす、と立ち上がった。
「じゃ、俺、コレ提出してくるから」
サザナミくんの背中を見ながら、これで良かったのだろうか、と茜先輩をうかがい見る。
「久は――久はどこまで知っているの……?」
ひどく弱々しい声だった。
今日、一番弱い茜先輩を見た気がした。
「翠葉ちゃん、昇降機まで一緒に来てくれるかな?」
言われて、スタンバイに入るタイミングであることに気づく。
でも、それを最終的に決めるのは茜先輩だと思っていたから。
「御園生さんにいいこと教えてあげる。この人に逃げ道は用意しちゃいけないんだ。本当は臆病者の弱虫だから。逃げ場がある限り、絶対に逃げる。だから、この人に何かを決めさせたいときは背中を押すなんて生易しい方法じゃなくて、選択肢をなくす、が正解」
そう言うと、サザナミくんはす、と立ち上がった。
「じゃ、俺、コレ提出してくるから」
サザナミくんの背中を見ながら、これで良かったのだろうか、と茜先輩をうかがい見る。
「久は――久はどこまで知っているの……?」
ひどく弱々しい声だった。
今日、一番弱い茜先輩を見た気がした。
「翠葉ちゃん、昇降機まで一緒に来てくれるかな?」
言われて、スタンバイに入るタイミングであることに気づく。