光のもとでⅠ
『会長、今から演奏部隊が上がります。左昇降機を下げるので気をつけてください』
 ツカサの声がインカムから聞こえてきた。
『助っ人参上? それは嬉しい限り。了解した。俺たちはステージ中央にいるから、右も降ろして大丈夫だよ。でさ、できれば椅子ちょうだい』
 久先輩の声はとても落ち着いたものだった。
 茜先輩の様子が気になる。
 椅子って――立てないくらいに状態は悪いのだろうか。
 演奏部隊が上がったところで歌を歌えるのだろうか。
 久先輩がいるから大丈夫……。
 そう思いたい。思いたいけど――。
 楽譜をぎゅっ、と握りしめ、ひたすらに祈る。
「御園生、大丈夫。基本、姉ちゃんたちに引っ張られるようにして演奏することになる」
 声をかけてくれたのは佐野くん。
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