光のもとでⅠ
「秋斗くん、そろそろご飯よ」
 廊下から声をかけられた。
「このデータを送信し終わったら行きます」
「じゃ、私は翠葉ちゃんを起こしてくるわね」
 データは八十パーセントが送信済み。残り二十パーセント……。
 送信が終わると蔵元に連絡し、データを確認してもらってから彼女の部屋へと足を向けた。
 中から聞こえてきた会話に足を止める。
「――そう。恋をすると色んなことを考えない? それこそ、どうしたら好きになってもらえるかとか、かわいくなりたいとか。……翠葉ちゃんはそう思ったことない?」
「そこまで気持ちが追いついてない……。でも、隣に並ぶときには外見だけでも年齢差を感じさせたくないないなって思いました」
 藤山でデートした日のことか……?
「それもそのひとつよ。でも、どうして?」
「……どうしてだろう」
「もしかして後悔しているの?」
 後悔ってなんの……? っていうか、これ、なんの話だ!?
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