光のもとでⅠ
「茜先輩のときはぶっつけ本番で焦ったけど、その場限りを楽しめたっていうかさ、まさにライブって感じだったよね」
 それを聞いて、この人なら音楽の話ができると思った。
「あの、お願いがあって……」
「ん? 御園生さんのお願いならなんでも聞くよ?」
「本当ですかっ!?」
 今しがた、クラスメイト三人に断られただけに、用件を言う前にOKをもらえるのはとても嬉しい。
「あのっ、最後の演目で一緒にステージに上がってもらえませんかっ!?」
「……それって、エスコート? でも、御園生さんのエスコート役って藤宮なんじゃないの?」
「そうなんですけど……。ケンカ中で、なんかやなんです……」
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