光のもとでⅠ
 でも、こんなのない――。
 自分からお願いしたのに、こんなに失礼なこと、ない――。
 なんで……指きりは大丈夫だったのに。
「それは残念って顔? それとも、申し訳ないって顔? それとも、困ってるだけ? ……俺が怖い?」
 言葉にできなくて必死に首を振った。
 でも、首を振るだけでは何を否定しているのかは伝わらない。
「佐野っっっ! ここにいる。早いとこ回収して」
 飛翔くんが遠くに向かって手を上げた。
 飛翔くんは背が高いから、人の中にいても頭ひとつ分くらい抜きん出ている。
 だから、遠くの人とも安易に会話ができてしまうのだろう。
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