光のもとでⅠ
状況を判断しかねてベストに手を伸ばすと、ベストの上から頭を押さえられた。
「十数える。それで切り替えろ。最終演目でステージへ上がるのは二、三分後。それまでに態勢を立て直せ」
直後、ツカサが数を数え始めた。
ザワザワしている中にツカサの声が響く。
その声に集中しだすとほかの音は一切聞こえなくなった。
真っ暗な空間にツカサの声だけが響く。
何度繰り返してくれたのかわからない。
ただ、回を重ねるごとに、歯の根が合わないのが止まり、上がりかけていた呼吸が落ち着き始めていた。
「……落ち着いたか?」
「十数える。それで切り替えろ。最終演目でステージへ上がるのは二、三分後。それまでに態勢を立て直せ」
直後、ツカサが数を数え始めた。
ザワザワしている中にツカサの声が響く。
その声に集中しだすとほかの音は一切聞こえなくなった。
真っ暗な空間にツカサの声だけが響く。
何度繰り返してくれたのかわからない。
ただ、回を重ねるごとに、歯の根が合わないのが止まり、上がりかけていた呼吸が落ち着き始めていた。
「……落ち着いたか?」