光のもとでⅠ
 コクリと頷くと頭から手が離れ、ベストを取られる。
「そんなに嫌ならさっきの件に関してはもう訊かない。だから……避けるのだけはよせ」
「っ……」
「正直、堪える……」
「ごめんっ」
「いい……。また泣かれたらたまらない」
 ツカサと一緒にいるのは自分も困るし、ツカサの好きな人に誤解をされたらツカサにとっても不本意だろう。
 そう思って自分から行動を起こしたけれど、結局人に迷惑をかけるだけかけて何も解決できていない。
 何もできない自分が、人に迷惑かけてばかりいる自分が嫌――。
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