光のもとでⅠ
「あの、もう大丈夫なんですか?」
「はい。この場が落ち着いているくらいには大丈夫ですよ。唯がよく働きましたからね」
 蔵元さんは穏やかに笑った。
 五分ちょっと和やかな時間を過ごし、蒼兄がカップを洗い終えると仕事部屋から出た。

 私の上履きはすでに昇降口の下駄箱に戻されているらしく、図書棟には靴が用意されていた。
 今日、半日お世話になった室内ブーツは「明日も履くかもしれないじゃん」という唯兄の言葉に図書棟入り口のロッカーに入れさせてもらうことにした。
 まだ人が多い中、秋斗さんの待つ職員用駐車場へ向かう。
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