光のもとでⅠ
「あの人は応援せずにこの人を応援する――そういう選択の仕方を翠葉は普段しないだろ? 無理矢理型に当てはめようとしなくていいんじゃないか? せっかく新しい気持ちを知ったんだから、その気持ちを大切にすればいい。ただ、それだけだよ」
 蒼兄にはわかっちゃうのね……。
 これが私自身の考えではなく、人に聞いた考えだって。
「……いい、のかな?」
 本当にそれでいいのかな。
「いいんだよ。だって、それは翠葉の心であり、想いなんだから」
「ほら、明日も早いでしょ? 顔洗って薬飲んでとっとと横になる!」
 唯兄に言われて時計を見たら、十時を一分だけ過ぎていた。
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