光のもとでⅠ
「何? 姫の知り合い?」
「中学が一緒で……」
「へぇ……中学が、ねぇ?」
 沙耶先輩は品定めでもするかのように、上から下まで舐めるように鎌田くんを眺めた。
 その状況が、まるで蛇に睨まれた蛙のようで、少々申し訳なくなる。
「沙耶先輩、鎌田くんは友達です」
 沙耶先輩は委員会からの通信がまだ終わらないようで、
「まだ、全体終わらないのよ。もう少しだけ待ってて?」
 腕だけはしっかりと掴まれた状態で、沙耶先輩はインカムに意識を戻した。
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