光のもとでⅠ
 けど、後ろからクスクスと笑い声が聞こえていた。
 きっと、鎌田くんだろう。
『それ、相手しなくていいから。ちょっと代わって』
「うん? わかった。待ってね」
 彼らに向き直り、携帯を渡す。
「ツカサ本人です」
「ありがとね」
 携帯を受け取ると、その人は親しげに話しだした。
 私の知らないツカサの友人関係……。
「――じゃ、そこに行けばいるのね? ――相変わらずつれないなぁ……。ところでさ、君、忙しいのかもしれないけど、携帯出ようか? あ? 持ってない? は? 昨日、今日と忘れた? 見かけによらずドジっ子?」
 それ……あの、そのくらいに――。
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