光のもとでⅠ
 ……どうして、どうして口にしちゃったかな。
 気分的には、「帰っておいで、私の言葉たち」といった感じ。
 まず最初にお箸をつけたのは卵焼き。
 それは出汁の味もするけれど、ほんのりと甘い、優しい味の卵焼きだった。
「美味しい……」
 次はカジキマグロの照り焼き。
 色はしっかりとついているのに、味はさほど濃くはなかった。
「いつもこういう味付け?」
「家で食べるものと変わらない」
 煮物の里芋もほくほくしていて美味しく、アスパラをお肉で巻いたものも美味しかった。
 ひとつ口にすると口にした分幸せになれるような、そんなお弁当だった。
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