光のもとでⅠ
「御園生、今戻ってきたの?」
 鎌田くんに訊かれてコクリと頷く。
「翠葉、こちらどちら様?」
「中学の同級生」と答えると、桃華さんがす、と私の前へ出た。
 反応の仕方がツカサや沙耶先輩と同じだった。
 それは桃華さんだけではなく、海斗くんも。
「桃華さんっ、海斗くんっ。大丈夫だからっっっ」
 後ろからふたりの袖を引っ張る。
「……翠葉?」
 桃華さんが振り返り、遅れて海斗くんも振り返る。
「あのね、鎌田くんだけは大丈夫なの」
「……本当に?」
 海斗くんに訊かれて、一生懸命首を縦に振った。
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